会長挨拶

 足利市は、かのフランシスコ・ザビエルにより海外にも紹介された日本最古の学校、日本遺産「史跡足利学校」をはじめ、開祖800年の歴史をもつ足利氏館跡・鑁阿寺(国宝本堂等)があり、日本三大民謡の八木節発祥地でもあります。
 このように、歴史と文化を育んでいる足利市において、足利文化協会は、昭和49年に設立準備委員会の精力的な活動により、同年5月8日、足利市民会館小ホールで、足利文化協会設立総会を開催し発足いたしました。
 設立時の構成は、14部門・71団体、2,130名により各種活動が始まり、昭和50年10月に第1回市民文化祭開催、51年3月「あしかが文化」(文化協会誌)創刊号発行、60年10月、第1回足利薪能の実施、平成10年1月、第1回市民文化祭優秀作品展、平成20年には足利展を開催するなど、多くの会員の協力により積極的に活動を広げてきました。平成26年度は、当協会設立 40周年・令和元年度には45周年を迎えることができ、多くの皆様のご支援ご協力の賜とお礼申し上げます。
 現在の構成は、23部門で40団体・7連盟・4個人、2,300名を数えており、文化活動を通して足利市の文化発展に寄与できるよう、会員同士の絆を重要視し事業に取り組んでおります。
 令和2年からは世界的な新型コロナ感染症の拡大から各種活動の制限が強いられ、さらに令和3年6月には、新たな県立高校の建て替え計画により、最大の活動拠点であります足利市民会館が閉館、取り壊しとなり文化協会会員の活動は息苦しい時代の始まりとなりました。しかし文化協会の使命は広い視野で物事を考え、持てる機能をフルに活用して傘下団体の活動と発展の為に共に行動し、共通の問題があれば共に考えることであると思っております。
 近年、様々な要因による急激な社会環境の変化においても、日常の暮らしの中にゆとりや心の豊かさが求められており、芸術文化の果たす役割は非常に大きなものがあると思います。現在、新型コロナ感染症の影響により大変厳しい活動環境となっておりますが、会員にとって大切なのは、研鑽の場、研究の場、そして発表の場ではないでしょうか。
 今後も10年、20年先を見据えた未来像を描き皆さんと共に一歩一歩焦らず歩んで行きたいと考えております。
 足利市民憲章の最初に、「足利市は日本最古の学校のあるまちです。教養を深め、文化のかおり高いまちをつくり、すぐれた伝統をさらに発展させましょう」とあります。文化協会はこの市民憲章の実現に向け、その一翼を担ってまいります。

足利文化協会 
会長 服部綾子